ワンちゃんの病気

飼い主さんだけが「いつもと少しだけ違う」ワンちゃんの様子に気付いてあげることができます。ここで紹介するような症状に気付いたら、河田動物病院にご相談ください。

食事や排せつの時の様子、見た目や触れた時に感じる変化、散歩の時に気付く異常など、日々の中でこうしたことに気を付けてあげてください。

食事や排せつの時の様子で気付く症状

食が進まない。食べにくそうな様子がある。食事の量が減ってきた。

ワンちゃんにとって食事は大きな楽しみのひとつです。それなのにこうした症状が出るのは、口内に起こったトラブルが原因となっているケースがとても多いものです。ワンちゃんも歯石による歯周病になりますし、口内炎にもなることがあります。

異物を食べてしまった。

ワンちゃんの異物誤飲はとても多く、飲み込んでしまったものによっては、重篤な症状になるケースも珍しくありません。飲み込んだかどうか判断がつかない場合にも、もしその可能性があるならできるだけ速やかに診察を受けてください。

吐く。

食欲があればしばらく様子を見てあげて大丈夫です。その後も継続して嘔吐する場合や、決まった時間に嘔吐することが多いようでしたら受診してください。腸閉塞といった胃腸疾患や肝不全、腎不全、食中毒、胆嚢疾患などの可能性があります。

水を飲む量が増えた。オシッコの量や回数が増えた。オシッコのポーズを取るのに出ていない。

オシッコが出ていない、あるいはほんの少ししか出ない場合には、できるだけ早くご相談ください。水を飲む量が増えたり、オシッコの量が増えたりした場合にも尿石症や膀胱炎、腎不全、糖尿病、甲状腺機能障害、副腎皮質機能障害、前立腺肥大、子宮蓄膿症などの重大な病気である可能性があります。オシッコの匂いに変化があった場合も、受診の目安になります。

オシッコの色が赤っぽい。

オシッコの量や回数が増える頻尿以上に緊急を要する症状です。黄疸や溶血性貧血、腎出血、子宮蓄膿症などの可能性もあるため、速やかに診療を受けてください。

下痢。

ワンちゃんに多い下痢ですが、単純に食べ過ぎの場合や、フードが合わないといった場合と、感染症や重大な病気である可能性がありますので、念のため受診をおすすめしています。全体的に水っぽかったり、ウンチの最後の方だけゆるかったりなどさまざまな下痢がありますので、その日のウンチを持って来ていただけると正確な診断に役立ちます。様々な消化器疾患からくる下痢のほか、溶血性貧血やタンパク漏出性腸症、パルボウイルス感染症、胆嚢疾患などの可能性があります。また、人間にも悪影響を及ぼす寄生虫によって下痢をしているケースもあります。

ウンチが出にくい。便秘気味。

2日目になっても便が出ない場合には、受診をおすすめします。気付いていない異物誤飲や腸閉塞などの消化器系トラブルのほか、椎間板ヘルニアや前立腺肥大、腸骨窩リンパ腫、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアなどから便秘になることがあります。

見た目や触れた時の変化で気付く症状

熱っぽい。

熱中症やウイルス性感染症のほか、細菌感染、バベシア症が考えられます。熱中症の場合は速やかな処置が必要です。また、熱中症は夏にしかならないものではないので、他の季節でも注意が必要です。

だるそうにしている。元気がない。

しばらくは注意深く様子を見て、翌日も元気がない場合にはご来院ください。飼い主さんが気付かない間に異物誤飲していた可能性もありますし、肝炎や腎不全、脱水、発熱性疾患、貧血なども考えられます。まったく動かないようだったり、触られるのを嫌がったりするようでしたらできるだけ早くご相談ください。

皮膚にできものを見つけた。

できものは腫瘍の可能性があり、良性か悪性かによって治療が大きく異なりますので、病理検査を受けましょう。もし万が一悪性腫瘍であったとしても、早期に発見することでひどい症状を出さずに過ごせる可能性があります。またできものには、フードをはじめさまざまなアレルギーに起因するものもあります。かゆみがある場合それが大きなストレスになりますので、早めにご相談ください。

耳の汚れが目立つ。耳を倒したり、頭を傾けたりすることが多くなった。

ワンちゃんの耳の内側はいつも湿っています。そのため、ブドウ球菌やマラセチアが繁殖しやすい環境です。また、ワンちゃんの種類によっては腫瘍ができやすいこともありますので、汚れや匂いに注意してあげてください。外耳炎や中耳炎のほか、耳ダニが原因の場合もあり、多くの場合かゆみが伴いますので早めの受診をおすすめします。

脱毛がある。しきりにかいている。

アレルギーのほか、細菌性の皮膚炎、真菌症、急性湿疹などで脱毛や強いかゆみが現れます。また、かゆみがない脱毛の場合には、甲状腺機能障害や副腎皮質機能亢進症、アロペシアXなどの病気の可能性もあります。

目ヤニが多い。眼を開けにくい様子。涙を流している。

毛の長いワンちゃんは、結膜炎や角膜炎になることが多く、角膜に傷がついてしまうこともあります。進行すると角膜潰瘍や角膜炎になり、失明してしまうケースもあるため、速やかに受診してください。

以前よりヨダレが増えた。口臭がひどくなった。

多くは歯石による歯周炎や歯槽膿漏の場合が多く、口内炎や口腔内腫瘍、腎不全、頸部リンパ腫などの可能性もあります。痛みやストレスで食事を楽しめなくなっている可能性がありますので、早めにご相談ください。

荒い呼吸がおさまらない。

熱中症、心不全、肺炎、気管支炎、腫瘍などの可能性があります。熱中症は夏場でなくても日当たりのよい場所にいてなることがあり、緊急の対処が必要ですのでできるだけ早くご相談ください。

クシャミや咳を繰り返す。

ホコリがたまたま鼻に入ることもありますが、クシャミや咳を繰り返している場合、感染症や心臓病などの重大な病気が原因になっている場合があります。また、鼻腔内腫瘍や気管虚脱なども考えられます。クシャミや咳が続くようでしたら「風邪」と軽く考えず念のため診察を受けてください。

散歩の時に気付く症状

スキップするように歩きはじめる。片足を地面に着けたがらない。

スキップするように歩きはじめたり、片足を地面に着けたがらなかったりする場合は、捻挫や骨折のほか、関節痛、膝蓋骨脱臼などが考えられます。強い痛みを伴う場合も多いので、速やかに受診してください。

抱っこされると痛そうに鳴く。撫でてもらうのを嫌がる。

ワンちゃんの種類によっては椎間板ヘルニアが多いのですが、ほかにも関節炎や骨折、脱臼、腫瘍、腋下リンパ腫、急性胃腸炎、急性膵炎の可能性もあります。できるだけ早くご相談ください。

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